隈研吾の京都造形大学至誠館
隈研吾建築都市設計事務所が設計した京都造形大学至誠館が竣工しています。
隈さん得意の建築言語であるルーバーが外壁面に使われていますが、
今回はかなり大振りな石材で重厚感を持たせつつ、
繊細にも見えるような不思議な風合いに仕上がっています。
一般に、縦方向のルーバーの役割は西日避けとして
言説されることが多いと思いますが、
近年では窓の無い部分の表層材として用いられる事も多くなっています。
これは鉛直方向性の強調、リズムやスケール感の表出などに貢献するものです。
表層材として見せるルーバーは縦方向が基本になります。
簡潔に理由を述べれば、雨や重力と方向性を持った部材との関係性です。
重力と直行する横方向にルーバーを走らせると汚れやすく、
経年時の見栄えがあまり良く無いと言えます。
果敢にも表層材として横ルーバーを用いられている事例も散見されますが、
これは、という使われ方はまだ見た事が無いように思います。
作品に戻ると、造形大学という背景から、
まずは塑性やダイナミズムに着想したと考えられます。
そこにもう一点、恣意的に映らない造作にしたところに時代性を感じます。
一通りの解釈しかないような押し付けがましい建築にならなかった所が、
この建築の最大の焦点ではないかと思います。
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