2008年7月22日

INAXの建築家フォーラム 石上純也講演会 2

「レストランのためのテーブル」(2003)は、
表題の通りにレストランを幾つかの占有感のある場に分節する為に、
大きく、存在感の無いテーブルとその上のランドスケープを提案しています。
閾を作るためには、建築本体としては何らかの壁面を造るのが一般的ですが、
ここではテーブルのスケールとその上の植栽によって、
場に固有性を持たせています。
また、装飾性の薄い空間にあるランドスケープはアイキャッチのように機能し、
人の視線やふるまいを緩やかにコントロールする役目も担っているでしょう。


キリンアートプロジェクト2005「table」(2005)は、
デザインプロセスとしては、それを発展させたものと考えられます。
ここでは「展示」という特性に着目し、使われ方が限定されることから、
積荷加重を定点に定めた上で構造解析を行って、
さらに極端な薄さと大きさを獲得しています。
公演では、おだやかに波打つテーブルのムービーを見ることが出来ました。
この頃から、オブジェクト相互の関係性やプロジェクトの特殊性について
執拗に追求する氏の方向性が定まりはじめたような気がします。


「神奈川工科大学KAIT工房」(2008)は、
恐らくは建築家ならば殆どの人が思いつくような着想ではあります。
ゆるやかな領域をどのように獲得するか、
領域相互の関係性をどう決定付けるのか、そのあたりがひとつの焦点でしょうか。
しかし、未だ誰も実作としては未達の空間・領域で、そこに到達する為に、
氏は専用のCAD開発を依頼したり、
柱や領域の相互関係性について執拗に追求しています。
結果として、空間定義のような恣意性を排除しつつも、
極めて強い知性を感じるものになっているように思いました。


続きます。

 

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